自宅出産体験期③(産後編)

コラム

<過去記事>

自宅分娩体験期①(妊娠編)はこちら
自宅分娩体験期②(分娩編)はこちら

 

ゆるみきった産後の骨盤

産後は骨盤底筋群がゆるんでいるため、24時間(個人差があります)は四つんばいで移動するよう説明がありました。

 

実際かなり骨盤が不安定で、トイレまで四つんばいで移動して、便器に座るのもやっとという状態。

今まで内臓などを支えていた部分がスカスカになった感覚で、尿をする程度の力でも内臓が落ちてくるのではない

か、と怖いほどです。

最初はショーツの上げ下げすら満足にできず、恥ずかしながら毎回夫に手伝ってもらっていました。

 

産後にダメージを受けた骨盤底筋群は、安静によって回復します。

24時間経ったころには「歩けるかな?」と思えるほど回復し、日増しに身体の軸がしっかりしてくるのを感じられまし

た。

 

また、初めは座って授乳すると腰に負担がかかり辛かったのですが、産後3日目にはわりと楽に座れるほど回復していました。

自宅だと、トイ

レ以外にほとんど移動は必要ないので、身の回りのことは夫に任せて、布団の上で赤ちゃんのお世話に集中することができたのが本当に楽で、ありがたかったです。

 

実際に身体の変化を体験して、産後の安静は本当に大切だと実感しました。

 

 

なかなか出ない母乳

私の場合は初めてのお産ということもあり、産後5日目くらいまではなかなか母乳が出てきませんでした。

母乳で頑張りたかったので、最初の数日は1日17回くらい、それも1回の授乳に1~2時間かかるような状態で、ほぼ1日中授乳をしていたのを覚えています。

長時間座れないので、座って授乳した後はひたすら沿い乳でした。

時間が長くなると沿い乳も辛く、「早く寝て~!!!」と何度も思い、横で寝ている夫をうらめしく思うことも多々ありました(笑)

でも、朝目覚めると不思議とその辛さは忘れていて(ホルモンのおかげ)、横ですやすや寝ている娘を見ると、たまらなくかわいい。だからこそ頑張れたんだと思います。

 

それだけ授乳をしても、産後3日目にはついに赤ちゃんの体重が生まれたときから11%も減ってしまいました。

助産師として働いていたころは、それだけ減ってしまうとミルクをたくさん足していたので、しばらく完全母乳は無理かな…と落ち込んだのですが、ほんの少し、スプーンでミルクをあげただけで後は母乳だけですごすことができました。

 

Mさん(助産師さん)が、どうしても母乳で頑張りたい私の思いを尊重してくださり、体重だけにとらわれず、赤ちゃんとおっぱいの状態をしっかりと見極めてくださったからです(ですので、状況によってはミルクを足すこともあります)

飲んでいる量が分からないぶん、不安になることも多々ありましたが、いつでも電話で相談に乗ってくださり、必要なときはすぐかけつけてくださいました。

Mさんのお顔を見ると、ほっとしますね。

 

 

産後9日間で深まった夫婦のきずな

自宅出産をすると、身の回りのことはどうするの?とよく聞かれます。

私の場合は、夫が産後5日間休暇を取れる制度を利用できた上、娘が土曜日に生まれたので(夫は暦どおりの休み)、お産の日を含めて9日間も夫と一緒にすごすことができました。

ですので、家事や私の身の回りのことは、夫がやってくれました。

産後はとにかく動けない(動いてはいけない)ので、水が飲みたいとか、あれ取って欲しいとか、遠慮なく頼めて甘えられるので、余計なストレスがなく本当に楽でした(笑)

夫の仕事が始まってからは、昼間だけ母に来てもらい、家事を手伝ってもらいました。

母は私の家のことを把握していないので、寝ているところを起こされるのを防ぐために、物のありかを書いた紙を戸棚などに貼り付けたりしていたのですが(Mさんのアドバイスです)

それでも何回も聞かれました(笑)

 

私の場合はすでに産後10日以上経って身体も回復していたので、そんなにストレスにはなりませんでしたが、これがお産直後だと思うと大変です。

産後の準備、打ち合わせはやってやりすぎることはありません。

 

 

一緒に頑張ってくれた夫へ

結婚するまで、自宅で出産できることを知らなかった夫ですが

「妊娠・出産にかかわりたい」と熱望していた夫にとって、家族だけでゆったりと迎えられるお産ができるのは魅力的だったようで、話をしたらすぐに賛成してくれました。

実際に自宅出産をして一番よかったのは、夫と陣痛が来てから産後9日目までずっと一緒にいられたことです。

お産が大変なのはある程度イメージできると思いますが、産後の大変さは、一緒にいないとイメージが難しいのではないかと思います。

トイレに行くのもやっとなほど身体にダメージを受けていること。昼夜問わず授乳し続けて、おっぱいが痛いとか、なかなか出ないとか、一つ一つのことにナイーブになったり、ちょっとしたことで涙が出たり…。

こういう悩みを一緒に話し合ったり、慰めてもらったりしながら一緒に乗り越えられたことで、一層夫婦の絆が深まった気がします。

私にとって、「一緒に育児をスタートできた」この産後1週間は、お産と同じくらい、いやそれ以上に大切な時間として記憶に残っています。

娘もすでにお父さんが大好きなようで、お父さんが抱っこするとニコニコ嬉しそうです(笑)