確かに、数字は苦手じゃない。でも得意でもない。
そもそも私は感覚を大事にするタイプの人間。
「自然な妊娠は、99%難しいでしょう」
最初99%妊娠できないという数字は、残酷にしか聞こえなかった精液検査結果からの先生のお話。
検査結果の紙の「測定不能」の文字はほんとうに残酷にしか感じられず、
そんな数字でパートナーを追い込まないでと思っていました。
感覚を大事にするタイプの人間には絶望的な数字にしか聞こえませんでした。
ただ、冷静に数字を見て、精子濃度、運動率から、それは冷静に理解できました。
数字にしてもらえたからこそ、数日は2人で落ち込んだものの、気持ちがリセットでき、
数字を追いかける日々が始まりました。
不妊治療に関しては、思いがけず即ステップアップしたので、
正直データの数字は後追いでしたが、
顕微授精の受精率は?このステップ、この年齢での妊娠率は?…すべて数字を追いかけました。
もちろんこうした行動がプレッシャーに感じる方々があるのは理解しています。
しかしながら、その時は、何かにとりつかれたようにデータというデータを調べました。
数字を追えば追うほど…どんどん低いパーセンテージに直面しました。
35歳を超える私にとっては2分の1すなわち50%以下の数字とたくさん出会いました。
でも、赤ちゃんを授かりたい、授かるんだという私たちの覚悟があったからこそ、
事実を正面から受け止め、
ひとつひとつその”確率”で冷静に“期待”をすることを学びました。
何もしてこなかった10年は、下駄を飛ばして50%を気まぐれに、ただそれを眺めていたのでしょう。
それは99%の残りの1%の確率をさらに下げる行為。
これだけ医学も、情報も、何もかも進歩している現代、
きちんと向き合えば、30%が60%にも70%にも変えられる。
天気予報を見て傘を持っていくべき降水確率は40%。
だとしたら、40%を超える数字を見たら、傘を持つ=赤ちゃんを迎える準備をする。
これが、私のデータを追いかけた理由だったのでしょう。