結婚・妊娠・出産などセンシティブな事柄は、
上司への報告を悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そこに不妊治療が加わると一層ややこしくなるものです。
不妊治療に関しては、オープンにするかしないかは、各々いろんな選択をされることと思います。
もうすぐ定年を迎える私の女性の上司は、仕事・キャリアアップが最優先で、人生においてもそれを貫かれた人です。
とても強い人です。それは尊敬しています。
そんな上司に対し、私は、長く厳しくなると予想される不妊治療について、しっかりと報告を重ねました。
気持ちの弱い部分も見せました。しかしそれが結果、お互いにとって良かったことだとは、いまだに思えません。
スケジュール面・体調面から仕事への支障が出る以上、不妊治療の報告の義務が無いとは言えません。
ですが心の中までは報告する必要がないと経験上感じました。
あくまで、不妊・流産・高齢出産という経験をした私の個人的な意見です。
やはり、何も経験されていなくて、身近にそんな人がいなかった方に対して、詳細な心の報告は、逆に負担をおかけしたと思っています。まだ妊娠することが想像できない独身の方へも同様です。
また一方で、報告をしても、私の心にも、安心感とか、心強さとか一切宿りませんでした。正直後悔だけ残っています。
仕事に対しての影響だけ報告するべきでした。
心は内に秘めたままでよかったのではないかと思いました。
決して、経験していない人を差別しているわけではありません。
ですが、相手にとっても、意を決して不妊治療に立ち向かっている部下・同僚を、どう支えていいのか負担に感じていることは考慮しなければならないことだと思います。
自分が不妊治療に対して、心細く、怖くて、心が弱っていたため、励まして欲しく、心のうちまで報告してしまったことが、いまだに後悔している諸悪の根源です。
心細い思いや、不安な思いは、こうしたコラムや、同じ目標に向かって進んでいるメンバーと、想いを共有するべきなんだと思っています。